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2005.12.05 Monday author : なぎさ

めぐりあう時間たち

めぐりあう時間たち
めぐりあう時間たち
この作品は一度観ただけでは、何とも感想が言いにくい。
監督自身も言われていたが、幾度となく再鑑賞していくなかで、その都度感じるシーンが変化するのだとか。
まずは初めて観終わった私は、その後もずっとこの映画のことが頭をかすめるほどに、後を引く作品だった。

昨日、観た作品に続きこれも「同性愛」が描かれている。

話が三つの時代に別れており、三人の主人公の共通項は「ダロウェイ夫人」という言葉である。

英国を代表する女流作家ヴァージニア・ウルフ(ニコール・キッドマン)は1923年を生き、「ダロウェイ夫人」の執筆中。

平凡な主婦ローラ・ブラウン(ジュリアン・ムーア)はロスアンゼルスに住み1951年を生き、「ダロウェイ夫人」を読んでいる。

そして2001年を生きる編集者のクラリッサ・ヴォーン(メリル・ストリープ)はニューヨークに住み、「ダロウェイ夫人」と呼ばれていた。

もう一つ、この三人の共通項には「同性愛」もあるんじゃないかと感じた。

そしてもう一つ、この三人は「生と死」について悩み苦しんでいた。

三人にはそれぞれ近くで見守り支えてくれている男性がいる。
ヴァージニアにはレナード(スティーブン・ディレイン)という夫。
ローラにも、少し相手の気持ちを読めないダン(ジョン・C・ライリー)という夫。
クラリッサにも、実質のパートナーは女性だが、エイズの闘病生活を送るリチャード(エド・ハリス)の看病をしていた。

ヴァージニア・ウルフを演じたニコールはいつもの美貌とは全く違う変貌振りだけれど、写真を見たらご本人とよく似ていた。
右がニコールってちょっと見、分かりませんよね。

そしてエド・ハリスの俳優魂には脱帽だ!
この人、役とは言え大丈夫なの?と心配になるほど極限状態に痩せていた。

それから、ジュリアン・ムーアってこんなに演技派だったのか!と感心しきりでした。
言葉少なげに抑えた演技が光ってます!

ちょい役でも脇を固める俳優陣も良かったぁー。
まず、クラリッサの旧友ルイス役でジェフ・ダニエルス
クラリッサの娘役にはクレア・ディーンズ
ヴァージニアの姉ヴァネッサに、ミランダ・リチャードソン
ローラの友人キティにトニ・コレット
また、ヴァージニアとローラのそれぞれの夫役、とキャストも豪華だった。

そして、映像が美しかった
ヴァージニアのシーンは、陰影を上手く生かし抑えた色調の中に気品があってとても好き。
また、時間を置いて再観してみようと思う。
以下ネタバレですが・・・。




二人目を身ごもっているローラが、ホテルの一室で自殺しようとしたが思い留まって、息子の待つところへ帰る。
あの時、リッチーは母親がもう帰って来ない気がして、母親の車を追いかけ見えなくなるまで立ち尽くしていたシーンが何ともせつない。
ローラはリッチーに対して、ちょっとネグレクトの虐待をしていた印象を受けた。
そのため、いつも母親の顔色をリッチーが見てた。
あの子はきっと、鈍感な父親ダンよりもずっと大人で、感受性も強く、母親のことを誰よりも好きであり、理解しているような眼差しだった。
そして、その眼差しは母の写真を見つめて死ぬ覚悟を決めたリチャードのあの時の目と重なった。

ローラにとってあの生活が‘死’そのもので、彼女は‘生’の生き方として家を出る決意をしたという。
幼い息子と生まれたばかりの娘を置いて・・・。
私なら絶対出来ないことだ。
子供を残して行くということ自体、私にとっては‘死’と同じ。
しかし数十年後、夫も娘もそしてリッチーにも先立たれ、彼女だけが残されたことが何とも皮肉である。

それとは反対に、‘人口受精’で娘を産み育てたクラリッサ。
しかもリチャードの死後、訪ねてきた母親のローラにその事を言ったのには、彼女なりの主張が含まれていたのではなかったか。
メリル・ストリープの演技はやっぱりそつが無い。
嫌う人もいるけど、私はそんなに嫌いじゃない。
若い時は美しさがある意味‘邪魔’してた部分があった気がするけれど、むしろ最近のちょっと‘たるんできた’今が良い。

入水自殺をするシーンでは、ニコール自身が冷たい川に入ったそうだ。
また、夫に遺書を書く冒頭のシーンでは、普段は左利きの彼女が右で書く練習をしたのだとか。
ヴァージニアの母は彼女が13歳の時に亡くなっている。
そのことは彼女に多大な影響を与えたという。
第二次世界大戦さなかの1941年3月28日、散歩に出かけたヴァージニアは入水自殺した。

「ダロウェイ夫人」は97年に映画化されていて、主演はイギリスの大女優ヴァネッサ・レッドグレーヴ。
観てみたいなぁ。

これ原題は「THE HOURS」なんですね。
邦題のほうが素敵です。




| 映画 《マ行》 | 06:49 | comments(6) | trackbacks(8) | pookmark |
2009.05.25 Monday author : スポンサードリンク

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| - | 06:49 | - | - | pookmark |
COMMENT
何度、鑑賞しても「すごい作品」!と思います。
なぎささんの着目している点も“しかり”!
劇場で観たとき、その音楽の荘厳さにびっくり。
あの内容に寄り添って流れるメロディはフィリップ・
グラス、もちろんサントラCD買いました。
あの音楽の相乗効果も“大”かと。

メリル・ストリープ、どうして嫌うんでしょうね。
彼女はプロ中のプロですよー。大ファンです。
“できる”人を素直に誉めない、タタく!
・・・悪い風潮です。

ニコール・キッドマンの役者根性には拍手です!
「デッド・カーム」(コレ、面白い!)の頃から
応援してます。
「アザース」のニコール、キレイ、キレイ!

レッドグレイヴの「ダロウェイ夫人」も秀作と思います。

レッドグレイブといえばジェーン・フォンダと共演した
名作「ジュリア」でしょう!
レッドグレイブはフランコ・ネロと一時、熱愛だったんですよね。
フランコ・ネロはご存知かしら?
| viva jiji | 2005/12/05 8:34 AM |
>viva jijiさんへ
音楽の相乗効果、確かにそうでした!
少しもの悲しげなメロディーは、三人の揺れる心の内が出てましたね。
そう考えると、映画って撮影とか美術ももちろんですが、音楽ももっと重要ですねぇ。

『ジュリア』好きな作品です!
これにもメリル・ストリープが出てましたよね。
まだ‘駆け出し’の頃だったか。

フランコ・ネロは『天地創造』の弟アベル役で初めて観ました。
その後『ナバロンの嵐』、『哀しみのトリスターナ』と観たんですが、テレビ放映を録画して見た『哀しみの・・・』が予約時間の設定ミスで途中で終わっていたという、ほんとにある意味、哀しみのトリスターナでした。(笑
その後、大分ご無沙汰でいきなり『ダイハード2』でした!
| なぎさ | 2005/12/05 9:24 PM |
これ、私も観ましたよ。。。

でも、でも、ダメでしたぁぁ・・・くすんくすん。。

夜泣きで体調が良くなかったせいもあって、どうしても『繊細な人の壊れていく様』にしか見えなくて、で、それがまたツラくって・・・

もうちょっと『普通』な時に観たいと思いますぅぅ。。
| ヨッシー | 2005/12/05 11:04 PM |
>ヨッシーさんへ
言えてるぅ〜。
コレは観るのに、ちょいと体力要りますし、エネルギー吸い取られるようなドーンとしたモノありますねぇ。

登場人物に感情移入できるできないは別としても、映画としては構成も変わっていて面白い作品でした!

また、うたちゃんのご機嫌な時にでも。。。
| なぎさ | 2005/12/06 6:09 AM |
TB&コメントありがとうございました。こちらからもTBさせていただきますね。
「ダロウェイ夫人」いつか本を読んでみようと思っていますが、映画があったんですね。演技派ヴァネッサ・レッドグレーヴ主演だったら期待できますね。私も見てみたいです。
| nocci | 2005/12/28 12:38 AM |
>nocciさんへ
ありがとうございました!TBとコメントも頂いて。
そうねんですよねぇ「ダロウェイ夫人」って作品、興味あります。
「めぐりあう時間たち」は難しい作品でしたね。
時間の交錯が上手くできていたとは言え、私などは最初ついていけてなかったです。(悲
| なぎさ | 2005/12/28 10:10 AM |
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| blolog〔ポジティブレビュー〕 | 2005/12/05 9:28 PM |
ダロウェイ夫人をめぐる3人の女たち    
| 悠雅的生活 | 2005/12/16 9:29 PM |
本日の映画 movie-47 「めぐりあう時間たち」 The Hours 200
| ぐーたら日記 | 2005/12/28 12:36 AM |
オススメ度:☆☆☆☆☆ オススメ対象:年を取るごとにみずみずしくなる人へ オススメポイント:頭などくだらないわ、心に比べれば。 ダロウェイ夫人ヴァージニア ウルフ Virginia Woolf
| びぶりおふぃりあ | 2006/01/14 4:33 AM |
とても綺麗な物語を観た。 3人の女性の人生。 それぞれが苦悩を抱え それと向き合わなければ今の幸せが守れないことを知っている。 日々の生活の中で苦しみと戦い 時には死ぬことを想い 人生の虚しさをかみしめる。 そんな3人の女性の物語。 考えるってとてもつらい
| 吹き替えでしか絶対観ない映画 | 2007/05/03 12:47 PM |
1923年、ヴァージニア・ウルフ(ニコール・キッドマン)は夫とともに、ロンドン郊外の田舎へ移り住む。静かな暮らしのなか、ヴァージニアは新作「ダロウェイ夫人」を書き始め、午後には姉とのティー・パーティが控えています。1951年、ロサンゼルス。「ダロウェイ夫人」
| とんとん・にっき | 2007/11/02 7:33 PM |
『めぐりあう時間たち』1923年、ロンドン郊外のリッチモンド。作家ヴァージニア・ウルフ(二コール・キッドマン)は、病気療養のためこの地に移り住み、『ダロウェイ夫人』を執筆していた。1951年、ロサンゼルス。『ダロウェイ夫人』を愛読する妊娠中の主婦、ローラ・ブ
| *モナミ* | 2008/03/20 10:24 AM |
たくさんの愛と驚きと時間たち、そして感動 人生はいつもミステリーに満ちている。
| Addict allcinema 映画レビュー | 2009/03/21 6:01 PM |