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2008.07.23 Wednesday author : なぎさ

サラエボの花

JUGEMテーマ:映画



2007年12月1日 公開作品
2008年6月5日 DVDリリース

お母さん、私はお父さんとどこが似てる?



ああぁ〜んもぉこれは辛い・・・・・。

女性として、母として辛い。

辛いけど、でも、深ぁ〜くて秀作だと思いました。
2006年ベルリン国際映画祭、金熊賞(グランプリ)など平和映画賞に輝いた作品です。

監督したのは、これが初の長編作品となる女性監督のヤスミラ・ジュバニッチさん。

↑この方

ドキュメンタリーやビデオの演出を手がけてきた彼女が
「女性として生きるとはどういうことか」をドキュメンタリーではなく一つの芸術として表現したかったと。


舞台はボスニア・ヘルツェゴビナの首都・サラエボに暮らす、シングルマザーのエスマと12歳の娘サラの物語。

サラの修学旅行が迫り、戦死したシャヒード(殉教者)の子供には費用が免除される。
父親はシャヒードと信じていたサラは、母・エスマがお金を工面したことで、父親に疑問を持つ。

    ・・・・・*・・・・・*・・・・・*・・・・・*・・・・・

旧ユーゴスラビアが解体するなかで勃発したボスニア紛争。
1992年  ボスニアが独立宣言
これが、民族と宗教が複雑にからんだ紛争の始まりだった。

33%を占めるセルビア人
対する17%のクロアチア人と44%のムスリム人(ボシュニャク人)

セルビア人側が分離を目指し4月から3年半以上に及ぶ内戦が起こる。

サラエボでは多くの女性が制圧中のセルビア人によってレイプされ、強制出産されるという悲劇を生んだ。

その被害者はなんと2万人にも及んだと言う。


    ・・・・・*・・・・・*・・・・・*・・・・・*・・・・・


この作品のエスマもセルビア人兵士にレイプされてサラを生んだのだった・・・・。

ヤスミラ監督は
「子供は愛から生まれますが、暴力や憎しみの中で子供を宿して出産し、憎しみのなかで育てられるのかと考えたのです。」

監督は、ご自分が母となったことでそれがよくわかったと言う。

そう言えば昨年観た『あなたになら言える秘密のこと』もやはり内戦で傷ついた女性が主人公でした。



大筋の内容は知っていましたが、それでも終盤、娘が父親のことを母親に問いただすシーンからはなんとも言えない気持ちが湧いてきました。

出生の秘密を知ってしまったサラ・・・。

彼女はある行動をとります!

監督はそのことについて
「母にひどいことをした男たちとの関連性をなくすとともに、暴力的な世界への抵抗」と語っていました。

それがね〜、見事に痛いほど伝わってくるんですよね。


また、こういう話しにありがちな主人公の心の傷を表すフラッシュバックが一切無いことに驚きました。

これは監督自身が"過去の再現"は使わないと決めていたようでした。

その代わり、エスマの日常で起こるちょっとした事から彼女が感じる心の動揺が巧く表現されていました。

この辺りも素晴らしかった!

監督はあえてフラッシュバックを用いなくても、こうした表現や、"音"などでも彼女のトラウマの原因を描けると思ったと言うんです。

素晴らしい!


主人公エスマを演じたのはミリャナ・カラノヴィッチ
私、この方って昔アメリカのTVドラマ「女性刑事ギャグニー&レイシー」に出てたレイシー役の女優さんに似てると思いました。(分かる方にはわかるでしょうね)

いやゃぁ〜彼女がまた味のある演技を見せてくれました!

彼女のキャラクターは架空の人物らしいのですが、サラエボに実際に住んでいる多くの女性の"代表"として描かれているようです。



その彼女以上に、娘・サラを演じたルナ・ミヨヴィッチがこれまたすんばらしい!!!

なんと、彼女も同級生の男の子サミル役のケナン・チャティチも素人でオーディションに合格した子だったんです!!!

劇団に所属していない300人から、30人に絞り、ゲームなどをさせて表情を見たりして7日間かけてこの二人を決めたとか。


高校生くらいかと思っていたら、役柄では12歳だったんですよね〜。
日本の小6じゃないですかぁ〜早熟さにビックリ!


娘に告白した後、エスマが通う女性対象のセラピーで、ある女性が歌う悲しいメロディーの曲が聴こえてきます。

その後で、彼女が始めて自分の胸のうちを吐露するシーンがあるんです。

自然と涙があふれてきます。

酷すぎる行為に・・・。

お腹に宿った我が子を憎まなければならなかった彼女の思いに・・・。



ラストはハッピーエンドとまではいかないけれど、きっとこの母娘に希望はあると、そう信じたいと思わせる閉め方がとっても良かった!

母と娘の物語と戦争の悲惨さを両立させた秀逸な作品でした。


| 映画 《サ行》 | 15:48 | comments(7) | trackbacks(9) | pookmark |
2009.05.25 Monday author : スポンサードリンク

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| - | 15:48 | - | - | pookmark |
COMMENT
なぎささん、こんにちは。
この映画、今年の始めに観たのですが、自分の中では今年のベストに絶対入れようと決めている作品です。
本当に小さな映画だと思うのですが、一番小さなものから戦争と言う巨悪の悲惨さを語り得ている素晴らしい映画だと思います。
自分がエスマやサラと同じ女性だからかもしれませんが、この映画は心の奥深くに突き刺さりますね。
一生忘れない映画の一つだと思います。
ではでは、また来ますね。
| 真紅 | 2008/07/25 1:17 AM |
>真紅さんへ
こんにちは〜真紅さん♪

真紅さん、すでにご覧になっていたのですね!
これホントに今年のベストに入る感動作でしたよね!!!

>一番小さなものから戦争と言う巨悪の悲惨さを語り得ている
まさしく仰る通りだと思います!
本編の中には一切、残酷なシーンは描かれていないにもかかわらず、観ていて強烈な何かを感じてしまいました。
やはり同じ女性として、母として、ということなのでしょうね。

私も心に深く残った作品でした。
あのラストも良かったです!
| なぎさ | 2008/07/25 8:31 AM |
こんばんは!
レイプされた子供でも、母親は子供を憎むことなどできない。子供に対する母親の愛情は深いのですね。
母親と子供の心理を深く描いていて、母子の物語が鋭い戦争批判をしている、奥深い映画でした。
| | 2008/10/27 9:53 PM |
>花さんへ
こんにちは〜花さん♪

これは泣けました。
母の愛は海より深く空より広いと言いますが・・・どんな状況で産まれても我が子を守り育てるのが母なんですね。
切り口は違いますがこれも反戦映画ですね!
| なぎさ | 2008/10/28 9:03 AM |
TBありがとうございました。

>また、こういう話しにありがちな主人公の心の傷を表すフラッシュバックが一切無いことに驚きました。

本当ですね〜。
フラッシュバックのシーンはとかく残虐な場面が多いものですが、この映画はそういう形ではなく、本人に語らせてましたね。

それが尚一層訴えかけてきたと思うのです。
| 小米花 | 2008/11/18 9:39 PM |
>小米花さんへ
こちらこそありがとうございました!

>それが尚一層訴えかけてきたと思うのです。

えぇ、ほんとですね。
こういう場合は映像で見えない分、観客は想像して話を作り上げるという作業をしますが、それがよりリアルに心に響くということもあるんですよね。
そういう意味ではこの女性監督は巧いですね!
| なぎさ | 2008/11/19 4:17 PM |
管理者の承認待ちコメントです。
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