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2007.04.04 Wednesday author : なぎさ

蛇イチゴ



『ゆれる』を観てから西川美和監督に興味を持ち、彼女が初監督のメガホンをとった2002年の作品を鑑賞してみた。

ドラマティックな展開など無いのに、なぜかずーっと引き込まれて観てしまう・・・西川監督書下ろしのオリジナル脚本と、不思議な雰囲気が漂う映像。

彼女が脚本を書いて監督するのなら、今後の作品もぜひ観てみたいと思わずにいられない。
↑の画像は、本作のメインである明智一家です。
左から、長男・周治(宮迫博之
10年前、父親に感動されて音信不通だった。

長女・倫子(つみきみほ
兄とは正反対で、まじめな彼女は小さい頃からの夢だった小学校教員として働いている。

母・章子(大谷直子
家庭を守り、痴呆が進んできた義父の世話を黙々としている。

父・芳郎(平泉成
サラリーマンとして堅実に務めていたが、現在は無職。
にも関わらず、家族にはそのことを話しておらず、毎日何食わぬ顔で出勤するふりをしている。

そして、奥のほうに座っているご老人は祖父・京蔵(笑福亭松之助
老人性痴呆症で、家族のこともよく分からなくなってきている。

こんな家庭だが表向きは、ごく普通の家庭に見えていた。
いや、無理矢理そう見えるようにカモフラージュしていたのかも。

ところが実は・・・

長男の周治ってのは、どうしようもないペテン師みたいな男です。

父親は、リストラされたことも家族に言えず、生活費を工面するためサラ金から借りまくり借金地獄でした。

母親は、良妻賢母のように家庭を切り盛りしているように見えましたが、本当は円形脱毛症になるくらい悩み苦しんでおり、義父の世話にも限界がきていました。

西川監督曰く「この家族は何かを守ろうとして、全てを失っていく」そんな様を淡々と描き出しています。
現実には、どこのご家庭にも大なり小なりいろんな悩みや確執、問題をかかえていると思います。
それを誰もが表面には出さず、穏やかに振舞っている傾向はあるのではないでしょうか。

一番身近で、一番小さなコミュニティである家族。
もともとは他人の夫婦と、その間に生まれた子供。
みんな多少なりとも自分を抑えて生活しているのじゃないでしょうか。

しかし、もし家族の中に犯罪者がいたとしたら・・・

西川監督は当初、監督をするつもりがなく、この脚本を誰にでも撮れるように書き上げたのだそうです。
彼女の師匠のような存在である是枝裕和監督によって見出された西川監督は、人はなぜ「家族」を守ろうとし、「家族」に還っていくのかをテーマに据えてこのオリジナル脚本を書き上げたと言います。

『ゆれる』と本作の共通点でもある「家族」と「犯罪」。
監督は、それらを絶妙な接点でつなげており、揺るぎない「家族」という小単位の人間関係の「危うさ」を如実に表現してくれています。

確実さの裏返しである不確実さ。

きっとそれは、血のつながりという「呪縛」によって簡単には断ち切れないという前提があるからこそ深い悩みへとつながっていくのでしょう。

俳優陣も珍しい方々を起用してメリハリが良かったです。
笑福亭松之助師匠の痴呆老人役は秀逸です!
余談ですが、私、この師匠の創作落語を小学校の時に聞いて、その面白さに感動したのを覚えています。

周治役の宮迫も、ずる賢そうな面構えが良かったですねぇ〜。
彼って標準語でもお芝居できますね。
藤岡琢也さんみたな両方できる俳優さんになって欲しいです。

個人的には芳郎の姉役だった絵沢萌子さんがお気に入りです♪

倫子の恋人・鎌田(手塚とおる)が彼女の家に初めて訪問した時のエピソードは、微妙な気まずい空気感が手に取るように表現されてて思わず笑ってしまいました。

『蛇イチゴ』がタイトルになっている理由はラストに厳然と出てきます!

次の作品が楽しみな西川美和監督です☆



| 映画 《ハ行》 | 16:11 | comments(12) | trackbacks(10) | pookmark |
2009.05.25 Monday author : スポンサードリンク

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| - | 16:11 | - | - | pookmark |
COMMENT
こんにちは。
先日はコメントありがとうございます。

この映画は人間模様が凄く繊細に描かれていて、家族全員集まった時の微妙な空気とか、本当に上手いですよね。
また色々と素敵な映画がありましたら、是非教えてくださいね。
| キャラメルハイジ | 2007/04/06 7:58 AM |
>キャラメルハイジさんへ
ようこそお出でいただいてありがとうございます!
当方、貴ブログへTBをしてもなぜか送信できないのです。
先ほども試みましたが、やはりダメでした。
申し訳ないです。
幣ブログへのTBありがとうございましたm(_ _)m

この作品は、家族って何だろうと考えさせられるものがありましたね。
人間の本質というか、裏表の心情が西川監督の手によって如実に表現されていたと思います。
こちらこそ、もしよければまたお越し下いね☆
またお邪魔いたします!
| なぎさ | 2007/04/06 8:52 AM |
こんばんは!お久しぶりです。
まだ「ゆれる」を観てないんですよ〜〜(汗)
監督の書いた小説は読んだのですが。。。
「蛇イチゴ」よくまとまった作品ですよね。これが初監督作品でしょ?
「ゆれる」も好評価だし。
わたしも鎌田さん初訪問のシーンは好きですね〜。
緊張感と妙なおかしさが絶妙です。
次回作どんなもの作るんでしょうかね。
オムニバスでは「フィーメール」「夢十夜」と撮ってますね。
「フィーメール」はDVDで観ました。短いですけど、この監督「らしさ」「カラー」は出てましたね。
「夢十夜」もおそらくDVD待ちになりそう。
長編も楽しみ♪
| しゅぺる | 2007/04/14 11:10 PM |
>しゅぺるさんへ
こんにちは!
しゅぺるさん、お忙しそうでしたが少し落ち着かれましたか〜。

西川さんこれが初監督、しかも最初は監督することに気乗りしなかったという割には上出来な作品でしたよねぇ。
鎌田さんのシーンなど、微妙な気まずさがなんとも愉快なんですよね。
次回作、早く観たいです!
今後も気になる監督さんですね♪
| なぎさ | 2007/04/15 1:56 PM |
こんばんは♪ なめ犬です。
『ゆれる』よりも先にこの作品を鑑賞したので、『ゆれる』を鑑賞したときに共通点が多いなあと感じました。指摘さえている家族と犯罪もそうで、家族のひとりひとりの持っている心に秘めていたものが重いのです。人の心理描写をうまく表現する監督だと感心してます。ちょっとしか出演してないですが芳郎(平泉成)のお姉さんがもうおもしろすぎなんです。言いたいことぶちまけて、危機を感じて即行大阪に戻っちゃうし。
| なめ犬 | 2007/04/19 8:16 PM |
>なめ犬さんへ
両方鑑賞すると共通点がありますよね。
初めはこの作品を西川監督が誰にでも撮影できるように脚本を書いたそうですね。
自分は監督する気がなかったとか。
是枝監督の愛弟子みたいな彼女ですから、今後も楽しみではありますねぇ。
絵沢萌子さんってチョイ役でも存在感あるんですよね〜。
この方、元は日活の出じゃなかったですか?
豊満なバストを惜しげもなく披露されていた時代も・・・。
これからも日本映画の若手監督さんの頑張りに期待したいですね!
| なぎさ | 2007/04/20 9:05 AM |
>個人的には芳郎の姉役だった絵沢萌子さんがお気に入りです♪

ぉお、なぎささん、目のつけどころがいいですねw
僕もこの姉さんのキャラは小津の「東京物語」の杉村春子をすぐにおもい浮かべますた★
| motti | 2007/05/04 9:26 AM |
>mottiさんへ
ですよねぇ〜♪
絵沢萌子さんって、ほんのチョイ役みたいな役柄でも、なぜか印象に残る女優さん!!!

小津安二郎作品は今までに『晩春』と『お茶漬けの味』しか観てないんですよぉ。
そうですかぁ杉村春子さんに・・・。
こういうちょっと嫌らしい役って絵沢さんの得意分野かもしれないですね。
| なぎさ | 2007/05/04 2:50 PM |
なぎささんコメントありがとう
西川監督、これからどうなるのか興味がありますね。今後の三本で評価が固まると思います。
| ケント | 2007/07/16 4:34 PM |
>ケントさんへ
おはようございます〜♪

>今後の三本で評価が固まると思います。
ですねぇ。
一作ごとに成長してくれる監督ではないかと期待しております!

| なぎさ | 2007/07/17 8:32 AM |
そうなんですかぁ〜。
最初は自身で監督するつもりがなかったのですかぁ。
この脚本をご自身で監督されてなかったら、
どうなってたんでしょう。
ひょっとしたらあの「ゆれる」も
生まれてなかったかもしれませんね!
| miyu | 2008/11/11 8:15 PM |
>miyuさんへ
こんにちは〜miyuさん♪

>最初は自身で監督するつもりがなかったのですかぁ。

えぇそのようです。
脚本だけに徹したかったのでしょうか。

>ひょっとしたらあの「ゆれる」も
生まれてなかったかもしれませんね!

まさしくそうですね!
センスある監督さんですからこれからも続けて欲しいものです。
まだまだ女性の監督って少ないですもんねぇ。
| なぎさ | 2008/11/12 9:24 AM |
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